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この記事を見つけて頂きありがとうございます。
少し長くなりますが縮毛矯正やられている方や、やってみたいなと興味をお持ちの方の参考になれば幸いです。
変なボリュームが出たりハネたりする・チリチリしている・湿気があるとクセがひどくなるなど、多種多様な問題で多くの人を悩ませている「クセ毛」。 実は、日本人の約70%の人がクセ毛と言われています。 程度の差こそあれ、クセ毛で悩んでいる方は多いのですね
・梅雨時期に髪が広がって収まらない・・・
・毎日アイロンをやっているが外に出ると広がる・・・
・髪にツヤが出なくなってきた・・・
・髪にハリとコシが無くなってきた・・・
・昔は無かったクセが出てきた・・・
・縮毛矯正やったことあるけど不自然な感じになった・・・
・縮毛矯正を繰り返しやっているので髪がボロボロになってきた・・・
・髪が傷んでいるうえに縮毛矯正かけるのも不安・・・
その他にも色々なお悩みや不安を感じてらっしゃるお客様はホントに多くむしろ髪の悩みが全くないというお客様はいません。
我々美容師もお客様のお悩みを解決できるように、劇的に変わって喜んでもらえるに最新の技術、薬剤知識、流行のトレンドなどを勉強し日々精進してきてます。
お客様が悩むことも美容師が悩むことも同じで
・どうすればお客様の髪をキレイなツヤ髪に出来るのか?
・どうすれば傷ませないで縮毛矯正がかけられるのか?
・どうすればハリ・コシ復活させられるのか?
・どうすればダメージ毛に縮毛矯正をかけられるのか?
等々これらの全ては美容師の思いも一緒です、お客様の悩みを解決してあげたいと思わない美容師はいませんし、お客様が悩んでいるように美容師も悩んでいるのです。
【悩みを解決したいお客様】と【お客様の期待に応えたい美容師】この関係性は今も昔も変わりません
完璧な作業なんていう物はなく、また完成された技術なんていう物もありません、お客様1人1人髪質も違いますしクセの種類も違います。
よくSNS等でサラサラでツヤツヤの動画や写真を見かけると思いますが『この薬剤、このトリートメントを施術すればどんな髪質の毛もツヤ髪になります』という万能な薬剤などは存在しません。
縮毛矯正なさるお客様のほとんどが縮毛矯正履歴のある方だと思います、根元のアプローチと既存の縮毛矯正履歴のある毛先とアプローチは違います。
だいたい【真っ直ぐにはなっているけど、ガサガサしている】のが履歴箇所だと思います
基本的に【縮毛矯正の仕上がりの良さ】というのは【髪の毛の体力がどれくらい残っているか?】で決まります。
当然beforeの状態がいいほど仕上がりが良くなります、beforeの状態が悪ければ仕上がり感には限界があります。
どうしてもこれ以上は無理というのはありますのでどんな髪質でも一度の施術でサラサラ、ツヤツヤに出来るわけではありません、特にハイダメージの場合は根元はサラサラツヤツヤになりますが毛先はそれなりの仕上がりになりますが何度か施術していけばやがていい感じになっていきます。
こればかりは【どんな薬剤を使おうが誰がやろうが】限界がありどうやっても超えることはできません。
なので縮毛矯正で一番注意すべき点は【髪の毛の体力を残すこと】だと思っております特に毛先は。
なのでカウンセリングは謙虚に誠実に髪になるべく負担のかからない施術をしっかり説明し提案することを心がけております。
ご自宅でのケアも重要になりますのでしっかりとご提案させて頂きお客様と共に二人三脚で”美髪”を作って行きたいと思っております。
私は今でも日々試行錯誤しながらお客様の髪をよりキレイにしてあげたいと毎日毎日悩みながら勉強しております。
このコラムでは普段の工程の流れや毛髪化学、薬剤の反応なども踏まえて書いてみました。
少々長くなりますが一読して頂けると幸いです。
Ash銀座店 古橋 晃
2023年05月10日 更新
クセの種類もお客様1人1人違いますし髪質も違います100人いれば100通りの髪質があります、それらを踏まえてお客様に合った薬剤を選んでいきます。
毛髪の形状は様々で
通常毛・・・その名の通り何もしてないバージン毛、カラーやパーマの薬剤のストレスがない状態、薬剤の作用が鈍いため薬剤を強くする必要があります。
乾燥毛・・・毛髪のCMCが不足し、パサパサしています。
※CMCとは毛髪のタンパク質とタンパク質の間に含まれる脂質やアミノ酸や低分子のタンパク質ミネラル等の複合名称
撥水毛・・・非常に健康で水分をはじきやすい髪の毛、水分や薬剤も浸透しにくいため縮毛矯正もかかりにくいため薬剤をかなり強くする必要があります。
エイジング毛・・・加齢によるタンパク質の変形CMCも少なく乾燥しやすい昔は無かったクセが出てきてパサつきやすくなります。
カラーダメージ毛・・・過度なヘアカラー、ホームカラーのダメージやブリーチによるダメージが深刻な状態。過度のアルカリ成分を使用できない為、酸性の薬剤で調整させて頂きます。
縮毛矯正ダメージ毛・・・薬剤選定や技術工程でのミスで過度なダメージがある毛髪、ドライヤー・コテ・アイロンによる毛髪のタンパク変性で硬くなります(生卵を熱すると固くなるのは生卵に含まれるタンパク質が熱凝集を起こします)一度硬くなったタンパク質は元に戻りません。
捻転毛・・・毛髪の1本1本が丸くなく平たい状態で捻じれているクセになります、非常に広がりやすく薬剤も強くする必要があります。
波状毛・・・大きく揺らぎやすいクセになります、比較的扱いやすいクセでクセを活かした髪型には最適です。
縮毛・・・毛髪が縮んだ状態で1番広がりやすいクセになります、縮毛矯正とはそもそもこの捻じれて縮んだ状態の髪の毛を真っすぐにする技術をさします
軟毛・・・柔らかい毛髪
硬毛・・・硬い毛髪
等々様々な毛髪がありお客様の髪質に合わせた薬剤を調節し施術していきます。
カウンセリングで必ずお聞きしたい案件は
髪の施術履歴・・・過去の髪の履歴はとても大切です。
いつ(期間)
どんな施術を(内容)
どのくらい(回数)
この3つを正確にお伝えいただけるとリスクが下がりクオリティーが上がります。
これからの予定・・・お客様には必ず現在髪がどのような状態か、これからどうしていくか、髪を良くしていく期間と費用、この3つをお伝えします。お客様に現状を理解して頂きこれからどうなっていくのかを一緒にイメージの共有をしてお客様と共に『美髪』を作っていきます。
正しいホームケア・・・正しいシャンプーの仕方、正しいトリートメントの仕方、適切なケア方法これだけで劇的に変わります。あとはやらない事を決めましょうブリーチ、ホームカラー等は『美髪を作る』にはオススメできません。
カウンセリングが終わるとまずはシャンプーをします、毛髪は普段のシャンプーやトリートメント、オイル、スプレーまた粉塵やヘアカラーの残留物など、様々な成分が付着しております。
シリコーン・金属イオン・過酸化脂質・合成樹脂などそれぞれをキレートしてくれる成分を混ぜてシャンプーの段階で除去していきます、縮毛矯正の薬剤を使用する際に付着した成分が多いと薬剤の反応が変わってきますので大事な工程です。
また縮毛矯正の薬剤が浸透しやすいように毛髪のPhをアルカリ性にするための前処理もこの段階でしておきます。(アルカリ性にすることでキューティクルが開き薬剤が浸透しやすくなります、アルカリは傷むと思われがちですが、この状態はデリケートではありますがダメージはありません)逆にダメージが気になる毛先などはPhを酸性にする場合もあります。
縮毛矯正の1剤をつける前に・・・毛髪の状態によってダメージが複合的になっています、特に毛先のハイダメージ部分は1剤の力が過剰に強く反応します、ダメージが大きいところに更なるダメージを与えることを避けるため毛髪のダメージ診断をし薬剤が過剰に反応しないように薬剤反応が弱くなるように保護剤を塗布していきます。
こうすることによってダメージが少ない箇所やハイダメージの箇所に対して均一に1剤の反応が出来るように調節していきます
1剤に使用する薬剤は還元剤といい毛髪のタンパク質の結合を切る役割のある成分を使用します。
縮毛矯正は1剤で毛髪の結合を切り、アイロンでまっすぐにし、酸化剤の2剤で再結合させ形状を維持させていきます。
この還元剤を毛髪の状況に合わせて使用することで毛髪ダメージを最小限に抑えてツルツル、サラサラ、ツヤツヤにすることが可能になるのですが、この還元剤の種類や使用方法を誤ると大きなダメージを与えてしまいます【縮毛矯正=傷む】というイメージはこの調整方法が髪質に合わずオーバースペックになった場合が多いのでこの1剤の薬剤選びは非常に重要な箇所になります。
現在使用している還元剤の種類は大きく分けて
・チオグリコール酸・・・非常に強い還元力があるのでクセが強い場合や硬毛の方に使用します。
・システィン・・・還元作用のあるアミノ酸で還元力は弱くクセは伸びにくいですがダメージは最小で抑えられます。
・システアミン・・・上記のシスティンに浸透剤を結合させた還元剤。チオグリコール酸とシスティンの間位の強さになります。
GMT・・・アルカリダメージが深刻で余分なアルカリを使いたくない場合に出来るだけ繊細な処理をしたい時に使用します、主に酸性の還元剤で使用します。
適材適所で髪質に合わせた薬剤選択がとても大事になります。
薬剤を調整し適度放置し薬剤を反応させていきます、主にアルカリ剤と還元剤の種類と濃度を調整しお客様に合った薬剤を使用していきます。
人によってクセの出方は様々で場所によってクセの強弱が違います、一般的には後頭部の下あたりはクセも強く毛も丈夫で薬剤が反応しにくいですが後頭部の表面はそこまでクセも強くなく傷みやすい髪質です、フロント部分は耳上がクセが強く丈夫で表面はクセもゆるく傷みやすいです、顔周りはクセが強いですが毛髪が細くもろい部分なので繊細な配慮をした薬剤設定が重要な箇所になります。
【根元箇所】根元のクセが強い部分は硬毛で薬剤が浸透しにくいので毛髪柔軟化を行い薬剤浸透を促進させていきます、またクセが強いので還元剤は濃度が高く強い種類の薬剤を使用します、浸透反応にも時間がかかるため放置時間を長めに設定する必要があります。
【中間箇所】縮毛矯正履歴がある場合は中間・毛先は薬剤浸透を妨げる薬剤でガードしていきます、クセ戻り等前回施術で伸びが甘い場所等は時間差で塗布し調整していきます。中間・毛先を保護しながら縮毛矯正の薬剤で全頭を施術いていくメニューは《美髪縮毛矯正》となります。
【毛先箇所】毛先は浸透性が高く薬剤反応も高いため基本的にはアルカリ剤は使わず酸性のGMTを使用します、縮毛矯正履歴のある方は薬剤はつけず特殊配合の活性ケラチンで栄養補充していきます《髪質改善縮毛矯正》
縮毛矯正1剤を適度放置後クセが伸びているかをチェックします、仕上がりに大きくかかわる工程ですのでとても重要です。
この段階で軟化・還元していないまま流すと後のアイロン後でもクセが残ります、逆に軟化しすぎると過剰ダメージに繋がります。
特に顔周りと表面の過剰軟化を注意して見ます、軟化し過ぎそうな場合は特殊配合の硬化剤を使用し減力効果で薬剤の促進を制御し適度な軟化状態で還元時間を確保していきます。
チェックの方法は【目で見てクシで梳かして確かめる】で行っていきます。
毛髪1本を伸ばした状態で引っ張る軟化チェックではなく目視でコーミングでクセが残っていないかの確認をします多くの縮毛矯正のお客様を担当させて頂いた経験の上での感覚を大事にし最適軟化状態を見極めます。
縮毛矯正の1剤を塗布し適度放置し最適軟化状態になったら薬剤をシャンプー台でしっかりと流します。
この段階で毛髪の結合は切れている状態です、この段階での流しをしっかり行うことで縮毛矯正1剤の作用を少なくする必要があります。
一度の水洗程度では縮毛矯正1剤の成分の全ては抜けませんが出来るだけ成分をしっかりと抜き還元作用を抑えることが重要になります、硬毛・多毛の場合は還元剤が残りやすいのでシャンプー剤でしっかりと流します。
地味な作業ですがこの工程も《髪質改善縮毛矯正》の重要な過程になります。
しっかり流した後はたっぷりと有効成分を髪に補充します。
結合を切った状態の毛髪は非常に不安定です、毛髪のタンパク質やCMCが流失しやすい状態です、水洗時に縮毛矯正1剤もしっかりと流すのですが同時に毛髪の大事な成分も一緒に抜けてしまいます。
この大事な成分が抜けている状態で高温のアイロン作業を行うことでタンパク質のケラチンの熱凝集というダメージ要因を出してしまいます。
この時の工程で毛髪に大事な成分を補うことが重要で最も大事な成分がケラチンと言うタンパク質になります、ケラチンにもさまざまな種類がありその中でも特殊配合の【活性ケラチン】【アミノ酸】【CMC】の細かい成分を導入し水洗時に流れた成分の補充を行います。
この時に導入する成分は非常に小さな成分でそのままでは定着性が少ないため導入した成分を架橋と言って成分同士を繋げて大きくし流出を防ぐ成分やアイロンの高熱から熱凝集を抑制する成分を導入し熱によるダメージリスクを下げてアイロン作業ができる環境を整えていきます。
【ドライ】
ストレートアイロンでの作業を行う前にドライヤーで毛髪を乾かしていきます。
この時にどれだけ髪に水分を残しているかで仕上がりが変わってきます。毛髪は水分を含むと不安定な状態ですが水分が抜けると安定をしていきます。
縮毛矯正1剤は水洗しても残留します、この成分は髪が濡れている状態だと反応が残り乾かすことで反応性が無くなります、アイロンを行っているときに水分が残っていれば残留した1剤は反応し乾いていれば反応性が止まります。
1剤の反応が足りている状態であればしっかり乾かし、反応性が足りない状態なら水分を残します。
なんとなく乾かしているように見えますが毛髪にどの程度水分を残しておくのがベストなのか?というのはとても重要な工程になります。
【ブロー】
毛髪の状態に合わせてツインブラシでテンションの加減を変えていきます、自然に優しく挟んだ状態で1剤の反応が足りない箇所をドライヤーの熱で伸ばしていきます、ブリーチ毛やハイダメージ毛はテンションでダメージする為ブローの工程を省きます。
【アイロン】
ストレートアイロンでクセをまっすぐに伸ばしヘアケア成分を固定化します。
アイロンは厚のかけ方、温度、熱を置いていくスピードで仕上がりがとても変わります。
アイロン工程での脱水~高温での作業でクセを伸ばしヘアケア成分もこの工程で固定化されていきますので経験値や慣れが必要です。
アイロンまでの工程が終わると2剤を塗布していきます。
縮毛矯正2剤は過酸化水素水またはブロム酸という酸化剤を使用していきます。
酸化剤の役割は一度還元作用で結合が切れた状態を再結合させるために使用する薬剤です。
毛髪は最低限度のリスクでクセを伸ばし最大限の効果の出る処理剤を補充し毛髪成分とヘアケア成分を熱と酸化剤で固定化していきます。
酸化が上手くいかないと再結合が上手くできません、再結合が上手くいかなかった毛髪成分は他の成分とくっついてしまい厄介なダメージの元になってしまうので軽く2剤を馴染ませて反応させてすぐ流すのではなく、毛髪に丁寧に細かく塗布ししっかり反応させていきます、酸化の際に処理剤の成分が固定化されていきますので酸化不足にならないように時間をかけてしっかりと再結合させていきます。
最後の流しはしっかりと行います、流し足りない場合はシャンプーで余分な薬剤を落として最後に縮毛矯正専用トリートメントを塗布しよく馴染ませてから流します、その後はタオルドライでセット面へ。
最後にキューティクルのケアを行います。
薬剤を使用した施術で負担がある為キューティクルが開きやすくなっています、ミネラル不足のため毛髪表面が荒れやすくせっかくのヘアケア剤が度重なるシャンプー等で流失し経過ダメージを引き起こす原因となります。
それらを防ぐため毛髪表面を保護し開いたキューティクルを強力に接着させる必要があります、濡れている段階で疑似キューティクルを作るミスト、毛髪の状態でミルクやオイルをつけてしっかりと乾かし必要に応じてアイロンやコテやブローで形を整えて完成となります。
以上こんな感じのメニューになります!
今現在の段階ではこのメニュー構成が1番最適だと考えております、しかしながら美容業界は常に進化しており新しい薬剤、新しい施術方法などものすごいスピードで出てきます、お客様に最適で最新の技術や薬剤知識を日々勉強しながらアップデートしてこれからもお客様の『キレイのお手伝い』が出来るよう日々精進して参ります。
髪質にお悩みのある方。ぜひともご相談をお待ちしております。
非常に長いコラムご一読ありがとうございました!
いつか皆様にお会いできる日を楽しみにしております♪